『今は力がないから新里さんに助けてもらわないといけないけど、必ずこの会社の社⾧になって、将来、新里さんのことを助けるから、時間を下さい。』
新里さんはラクイチ創業時からの契約会社である(有)新里工業 新里社⾧のことです。
入社1年目、中村は、ちょっとした経緯で、ある現場の監理を行う業務をしていました。材料メーカーの新人営業マンですから、上手く工事監理が出来なかったこと、普段は付き合いのないダイフレックスが入り込んだことから、その現場で関わりのある多数の人から嫌がらせを受けていました。そんな中、当時防水作業員さんの親方だった新里社長だけが親切に接してくれました。
親しくなった新里社⾧から次のような昔のエピソードをお伺いしました。
ある現場で、金額を決めずに防水の工事を請け負いました。
ウレタン防水密着重ね塗り工法1500㎡を施工。 15人工で施工が完了し、後日、依頼先の元請からの金額提示が工賃30万円。㎡単価にすると200円/㎡。人工だと2万円/人工です。
新里社⾧が笑い話として「工賃が200円/㎡なら請け負わなかったよ。でも赤字になってない自社が悔しいね。」と語るのを聞いた中村は「これだから業界が良くならないんだ。」と思ったそうです。この業界でこの仕事に携わっている人間であれば、この工事を15人工で完了させるすごさ(圧倒的な施工能力、スピード)のある施工業者だとわかるはず...
なのに、新里工業の圧倒的な施工能力に対してリスペクトするのではなく、200円/㎡で工事原価がおさまり、予想以上に 自社の利益が確保できたこと、今後もこの施工能力を自社のためだけに利用しようと考えている点に、中村は嫌悪感を覚え、新里工業のような業者が適正評価を受ける業界に変えていかなければいけないという強い使命感をもったそうです。